「メタボリズム建築と旧館林市庁舎」展

旧館林市庁舎の写真提供:館林市史編さんセンター/撮影:中山健一

2021年11月23日(火/祝)

「メタボリズム建築と旧館林市庁舎」展

「ART& DESIGN TATEBAYASHI ~ 椅子」展(武鷹館)

「ART& DESIGN TATEBAYASHI ~ 椅子」展( 旧秋元別邸)を館林市内の3箇所で同時開催

菊竹清訓(1928-2011)は戦後の日本を代表する建築家です。「自邸スカイハウス(1958竣工)」「出雲大社庁の舎( 1963竣工)」といった代表作品を手掛け、1970年代には黒川紀章や川添登らと建築運動「メタボリズム」を提唱、実現させ国際的にも高い評価を受けています。

この偉大な建築家が設計した群馬県館林市の市民センター(旧館林市庁舎)に焦点を当てながら、館林の魅力とモダンデザイン家具の魅力を発信する展覧会を開催します。近年全国的にメタボリズム建築の名作が建て壊しによって減少する中、当時の資料を通じて「旧館林市庁舎」の建築遺産としての重要性、日本における文化的な価値に触れて頂くため、館林を拠点に活動し「建築」「デザイン」「家具」を愛好する国内有数のショップや館林出身のギャラリーオーナーらが立ち上がり企画した1日限定の展覧会です。

コロナ禍で私たちの暮らしに様々な制限が敷かれていたものが徐々に回復の兆しを見せ、地域主義への回帰も見られる時代の潮流が生まれています。本展はこのような流れの中で館林の魅力やポテンシャルをもっと多くの人に知っていただけるよう館林市役所産業開発課の協力の元、文化的なインスピレーション溢れる3箇所同時開催のエキシビジョンとなります。

弊社が展開する「ATELIER GALLERY」と「Objet d' art」に加え館林の眼鏡店「garage(ガラージュ)」「田部井石材」の4組は館林にある名建築を復興するための新しい空間の伝え方や活かし方に大きく着目しています。

「メタボリズム建築と旧館林市庁舎」展では、戦後の日本を代表する建築家菊竹清訓氏が設計したメタボリズムの名建築である市民センター(旧館林市庁舎)を一般向けに開放し、この建築遺産が持つ日本の歴史における重要性や日本や世界にとっての歴史的な価値に触れていただけるよう、当時の資料と合わせて名建築の見学をいただける貴重な機会となります。皆さまの過去の名   建築や、現代における名建築の再生、保存、そして再活用の在り方への視点がより豊かなものになるような インスピレーション溢れる内容となります。

展覧会のポイント・みどころ

◆「秋元別邸」「武鷹館」2つの会場~日本家屋で調和する世界の名作デザイナーズ家具の展示

「ART& DESIGN TATEBAYASHI 椅子」展と題しまして館林市内の名建築「武鷹館」では民芸を中心に、「秋元別邸」では世界のモダンデザインを牽引して来た日本とフランスの建築家やインテリアデザイナーが手掛けた椅子を中心に展示します。「TBRI(東毛建築リサーチ研究所)」「garage(ガラージュ)」「ATELIER GALLERY」「Objet d' art」が所有する坂倉準三、渡辺力、柳宗理、長大作、倉俣史朗、内田繁、黒川紀章、長谷川逸子、剣持勇などのジャパニーズモダンの貴重なオリジナル家具作品、シャルロット・ペリアンやピエール・ジャンヌレなどが手掛けた家具作品にもご注目ください。館林が誇る日本家屋の建築とモダンデザインのトップピースの椅子達の調和を試みることで、家具と空間コーディネートの魅力を見つめ直し、またそこに新たな価値と創造性を見出そうとするものです。


◆「旧館林市庁舎」の在り方を見直すきっかけになる地元出身者による取り組み

2016年には、同じく菊竹作品であり建築学会賞を受賞した海外でも高い評価を受けていた「出雲大社庁の舎(1963年竣工)」が経年劣化により解体され、日本は1つの大きな文化的財産を失いました。この例のように名建築は老朽化によって、全国的に素晴らしい建築作品の建て壊しが進む潮流の中で、現代の日本人が自らの文化的財産の価値や多様な地域性ある価値感を見直し、現代における名建築の再生、保存、そして再活用の在り方への視点がより豊かなものになるようなエキシビジョンを目指します。


◆「旧館林市庁舎」での菊竹清訓の設計、田中一光の色彩計画による貴重な関連品の展示

「メタボリズム建築と旧館林市庁舎」展では菊竹清訓がこの建築のために手掛けた当時の建築図面、オリジナルの関連家具に加え、田中一光によるタイポグラフィー関連資料を展示します。1963年竣工の「旧館林市庁舎」はその計画段階で、菊竹清訓は当時若きグラフィックデザイナーであった田中一光に細部のデザインと色彩計画を依頼しました。当時建築の分野においてグラフィックデザイナーが参画することは非常に稀な例であり、当時の菊竹清訓のアヴァンギャルドで意欲的な意図を汲み取ることができます。建築図面、関連家具、田中一光のタイポグラフィーなどを菊竹建築の見学とともにお楽しみ頂けます。


◆日没後、館内照明点灯によるライトアップと屋上観覧(時間制)

日没後、ライトアップによって建築の見え方に変化が生まれ、普段の鑑賞では気がつかないような菊竹建築の魅力をお楽しみ頂くことができます。また普段は解放していない屋上を1日限定(時間制)で解放させて頂きます。旧館林市庁舎は屋根の構造も特徴的で、こちらも当日限定で鑑賞頂くことができます。




展覧会概要

展覧会名1:「メタボリズム建築と旧館林市庁舎」展

場所:館林市市民センター(旧館林市庁舎)

群馬県館林市仲町14-1会期 : 2021年11月23日(火/祝)※1日のみ限定

時間:午前10 時 ~ 午後5 時



展覧会名2:「ART& DESIGN TATEBAYASHI 椅子」展(会場/武鷹館)

武鷹館:群馬県館林市大手町5-10

会期 : 2021年11月23日(火/祝)※1日のみ限定時間:午前10 時 ~ 午後3 時



展覧会名3:「ART& DESIGN TATEBAYASHI 椅子」展(会場/旧秋元別邸)

旧秋元別邸:群馬県館林市尾曳町8-1

会期 : 2021年11月23日(火/祝)※1日のみ限定時間:午前10 時 ~ 午後3 時



主催:館林市役所産業開発課

企画 : TBRI(東毛建築リサーチ研究所)

協力 : 館林市役所産業開発課