Tropicalism / Japonism


Tropicalism / Japonism

TOKYO | 12th DEC 2020 - 20th JAN 2021

 

「トロピカリズム」「ジャポニズム」という二つのキーワードをもとにセレクトした、ブラジリアン・モダニズムを代表するオスカー・ニーマイヤーやジョゼ・ザニーネ・カルダス、リナ・ボ・バルディ、ジョルジ・ザウツピン、1960年代にアフリカ・モーリタニアのプロジェクトに作品を納め、日本とも深く関わりを持つシャルロット・ペリアン、1970年代に日本からインスピレーションを受けた作品を手がけたインゴ・マウラー、日本にルーツを持つジョージ・ナカシマといった数々のデザイナーの作品を一堂にご覧いただけます。

特に注目すべきは、オスカー・ニーマイヤーとジョゼ・ザニーネ・カルダスの作品です。

オスカー・ニーマイヤーはブラジルモダニズム建築の父とも称され、1952年にはル・コルビュジエと組んでニューヨークの国連本部ビルを設計した建築界の巨匠です。ブラジルの首都がブラジリアへと遷都される際に、新首都の主要な公共施設の設計に携わり、荒涼とした地から創造性あふれる計画都市を創り上げたことで知られます。

一方のジョゼ・ザニーネ・カルダスは独学で学んだデザイナー・建築家です。1940年代には建築模型士としてニーマイヤーやルシオ・コスタといった有名建築家と協働し、その後家具デザインを始めます。一般家庭向けの合板を使った家具デザインを手がけたのち、無垢材を削り出すというベーシックで大胆なアプローチで家具作りに向き合ったというユニークな経歴を持ちます。

今回は、ニーマイヤーが手がけた建築物と同様、独創的な美しい曲線からなる家具に加え、ニーマイヤー自身の手によるドローイングや、建築作品の写真を紹介します。また、ザニーネ・カルダスが家具デザイナーとしての初期に手がけた合板を用いた作品、後期に手がけた無垢材から削り出したダイナミックな作品も同時に展示します。同じ時代を生き、同じ仕事に携わる機会を持ちながらも、全く異なった作品を作り上げており、それぞれに着想源や表現方法が全く違うものであったであろうことを見て取ることができる内容です。

ブラジルの首都ブラジリアが遷都されて60周年を迎えた本年、オスカー・ニーマイヤーとジョゼ・ゼニーネ・カルダスの作品を中心とした貴重な作品が並ぶ、またとない機会です。お見逃しのないよう、ぜひ足をお運びください。